新年のご挨拶が新年度のご挨拶になってしまいました。この4月で島根に着任して4年が経過しました。良き医局員に恵まれ、ただただ必死に臨床、研究、教育にチャレンジしてきました。

 特に先進医療の実践は教室としてのかねてからの目標であり、地域にありながらも最先端を目指して努力を重ねることを教室のモットーにしてきました。とりわけロボット手術や癌のクリニカルシークエンスなどの先端ガン医療の導入を推進してきました。このような新しい挑戦を続ける中で、細やかな配慮が十分に行き届いてないのではないかという懸念を抱くようになりました。

 ロボット手術を受ける患者さんは、その最新テクノロジーの恩恵に期待する一方で、ネーミングに由来する冷たいイメージと相まってどれだけ不安な思いをされているのであろうか? また、癌の遺伝子情報がクリニカルシークエンスで丸わかりになることで、家族にも関わる遺伝的な問題まで暴かれて絶望的な気分になるのではなかろうか? まさに最新テクノロジーの光と陰。陰の部分にも思い至る細やかな神経が必要なのではないだろうか? そのように感じ始めていた折、ある学会のキャッチフレーズにハッとするような教訓を得て、ずっとそのことが心に残っています。それは「立ち止まり、振り返る!」です。

 前に進むばかりではなく、常に「立ち止まり、振り返る!」という姿勢が大事だと思うのです。 この言葉は、「患者さん目線」を喚起させ、医師としての本来の在り方をあらためて我々に問うキャッチフレーズだと思います。本年度はこの言葉を胸に抱きつつ着実に前に進んで行きたいと考えております。

 

吉野潔先生(大阪大学産婦人科)の産業医大産婦人科教授就任壮行会にて

H30.3/23(大阪リッツカールトンホテル)

吉野先生1