子宮体癌に対する腹腔鏡下傍大動脈リンパ節郭清術を開始しました。
2017年02月23日
# 子宮体癌の手術は、腹腔鏡下子宮体癌根治術がすでに保険診療となっておりますが、後腹膜リンパ節の廓清は骨盤リンパ節だけに制限されています。しかし、子宮体癌の高リスク群ではより高い位置にある傍大動脈リンパ節への転移が想定され、その廓清は現在の保険診療では開腹でしか認められておりません。
# 当科では傍大動脈リンパ節廓清までを含めた子宮体癌根治術を全て腹腔鏡で行う手術を臨床試験として2月より開始しました。現在まで2例執刀し、大幅な出血量の減少と術後回復期間の短縮を認めております。
# これまでの開腹手術は腹部に大きな傷跡を残し、術後の回復も婦人科の手術の中では最も時間を要します。これに対して腹腔鏡下手術では腹部に5-6カ所の1-2cm程度の傷が残るだけで手術を完遂でき、術後も1週間程度で退院可能です。開腹手術との比較で、腹腔鏡下手術の低侵襲性が最も顕著に発揮されるのが本手術であると言えます。
本臨床試験にてその安全性、根治性について調査を続け、近い将来、本手術が先進医療、保険診療となるようその成果を発信してゆくつもりです。本臨床試験については当科まで遠慮なくお問い合わせ下さい。